”見た目”の悩み〜人は見た目でその人を勝手に評価する

人は見た目でその人の性格を想像し、今までにどんなことをしていたかというストーリーを勝手に創る傾向がある。

 

 

美人だから性格が良い

醜いから性格が悪い

 

 

初対面の相手になんの根拠もなくそんな印象を持ってしまうのはなぜだろう。

 

それは、私たちが小さな頃から読んできたおとぎ話から始まる。

 

美しく性格も行いもよい主人公のお姫様は意地悪な身内にいじめられ、最後はイケメンの王子様と幸せな結婚をするなどの良くあるストーリーで、
『美人=見た目に美しく、誰にでも優しくよい行いをする人』『醜い人=見た目が醜く、人に対して意地悪でよくない行いをする人』という枠が出来上がっている。

 

 

そして育ってきた環境にも左右される。

 

 

人と同じように行動し、学ぶことが正しいことだと家庭のなかや学校で教わる。
見た目にわかる障がいや難病を持つ人に対して配慮のない言動や対応をする。
頭髪がないこと、顔にアザや火傷があること、背が低いこと高いこと、痩せていること太っていること
とにかく自分のことは棚に上げて他人の見た目をあーだこーだと批評する。

 

 

残念だが、そういった土壌が日本だけでなく人間が住む場所にはどこにでもある。

 

 

先日Eテレで放送されたバリバラという番組は、2012年に放送がスタートした障がい者のための情報バラエティだ。
笑いの要素を取り入れながら、これまでタブー視されてきた障がい者のこと、生きづらさを感じているマイノリティーを抱える人に焦点を当て、バリアをなくすために問題提起している。

 

 

5月の放送で取り上げられた『見た目の悩み』

 

 

先天的な病気で生まれつき顔の半分に赤い痣がある男性が受けてきた結婚・就職差別。
顔の血管が固まる病気で、出産の刺激で血管が破裂、鼻や口の形が変形し、自分の見た目で子どもがいじめを受けることを恐れマスクを外せない女性。
生まれつき皮膚の色素が薄く、日本人でありながら元々の頭髪が金色のアルビノの男性はバスや電車で突き刺さる視線を感じる。

 

 

この人たちは病気で見た目が大きく変化し、人からも社会からも差別され続けているのに、治療の緊急性がなく生命の危機状態にはないという理由から障がい認定されず、実際に日常生活で大きな不自由や差別を被っているのに公的な支援は受けられない。

 

私は引きこもりの女性にメイクで外見を変え、彼女たちががもっともっと生きやすくなるサポートをしていて、メイク後の気持ちや行動の変化を見続けてきたが、
外見を整えることがその人にとって気持ちや行動を変える力になり、また周りがその人と良い関係を作るための1つの手段だと確信している。

 

 

しかし裏を返せば、見た目によって相手が自分にとって良い人か悪い人かを勝手に決め付けてしまう。
そんな多くの人が持っている思考も否定できない。

 

 

一番大切なことは、自分の常識が他人にとっては非常識なこともあると理解しておくこと。
そして形だけのバリアフリーではなく、誰もが違っているのが当たり前で、それを良いか悪いかジャッジする権限は誰にもないということ。
それを大人が理解し、行動しなければこうした『見た目の悩み』はこれからもずっとなくならない、そう私は思う。

 

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