・聴き手中心ではなく、話し手中心で話をしている
・結論を先に言わないから、どこに注意して聴けば良いのかわからない
・用意されたシナリオ通りに話す(特にプレゼン)
今まで私が多くの人と仕事やプライベートで関わってきて感じたのが、だいたいこの3つだ。
では先に、過去に私が「この方は人の聴く耳を開く天才だ!」と思った方を紹介しよう。
元内閣総理大臣の小泉純一郎氏だ。
小泉氏の内閣総理大臣の在任期間は1980日、第2次世界大戦後の内閣総理大臣としては佐藤栄作氏、吉田茂氏に次ぐ3位。
平成時代においては最長の長期政権である。(Wikipediaより)
国会中の答弁は官僚がペーパーを用意してあるものを読み上げるのでそれは別として、
例えば地方遊説に行った時。
限られた僅かな時間。有権者に語りたいことはたくさんあるはずだ。
選挙の街頭演説といえば、連日の遊説で潰れた声を張り上げ、声高に他政党を叩き、自分の政党がどんな政策を履行するのかをアピールする場だ。
小泉氏はまず自分の遊説の場に足を運んでくれた聴衆の状況を自分の言葉で語りかける。
ある大雪の日には
「こんな大雪の中、こんなに大勢ありがとうございます。みんな真っ白い傘。いろいろ、色つきの傘も真っ白になっちゃった」と冒頭で語りかける。
しかも穏やかな柔らかい笑顔で。
ただ「寒いなかありがとうございます。」というだけでなく、
大雪でそれぞれの傘が色が隠れてしまうほどに真っ白になった。
そんなになるまで自分を待っていてくれてありがとう。
この表現から、そんなメッセージを感じることができる。
この冒頭の言葉が、足が凍えるほど寒いなか待ち続けた聴衆の心を温め、聴く耳を開くのだ。
特に中年女性たちは小泉氏を好意的に見ている方が多く、全国どこへ行っても人だかりができる。
実は総理番と言われる番記者たちからも、小泉氏は慕われていた。
いつも気軽に声をかけ、労う姿勢を見れば頷ける。
結論を先に言わずにただただ話を進めれば、聴き手はどこに話のポイントがあるのかを理解できない。
自分の言いたいことを真っ先に言う人は、意識が自分に集中している。
用意したシナリオ通りに話すのなら、誰が読み上げても変わらない。
どれも話し手が主役になっている。
コミュニケーションは双方向だから成り立つ。
どちらか一方が話し続ければ、途中で聴くのも飽きてくる。
大勢の前で話す時も、聴衆の顔を一人一人見ながら、自分の言葉に対する反応を見ながら言葉を発する。
前回バカウケしたのが今回もウケるとは限らない。
コミュニケーションは生物だ。
だから意識は常に話し手ではなく聴き手に向け、
自分の言葉で語ろう。
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