マンションの頭金が軽く払えるほどファッションに投資したから40代の今がある

40をとうに過ぎた私は、最近心ときめく洋服に出会うことがめっきり少なくな

った

3~4年前はヤンチャ盛りの子どもと日々日没まで遊ぶ毎日だったので

それこそ大型のショッピングモールで手に入れたちょっと小洒落たアイテム

で十分満足だったし、実際「大久保さんっていつもおしゃれだよね!」と褒め

られることも多かった

 

 

しかしここに来てその大型ショッピングモールで贔屓にしていたショップの

洋服に全くときめきを感じなくなった

なぜか

どれも普通

どれもSTORYなどのアラフォー雑誌に掲載されているデザイン

だから右見ても左見ても同じような格好の同じ世代の女性がわんさか

先日なんて、たまたま入ったカフェの隣の席の女性二人組のコーデが

まるで双子のようで思わずお二人の顔を交互に見比べてしまった

 

 

ここ数年ファストファッション全盛期で

今や銀座のど真ん中にZARA、ユニクロ、GUなど40代の女性におなじみのシ

ョップが並ぶ

雑誌を見ればコスパよし見栄えよしの大人アイテムとか

インスタグラムやブログで毎日紹介されるカリスマブロガーの時短プチプラコ

ーデとか

しまむらで見つけたマストバイアイテムとか

 

 

こう言っちゃあ何だが、私にとって20年ほど前のユニクロやしまむらは田舎の

国道沿いにあるようないわゆる「THE 婦人服」「ご近所仕様」といった風情

の店の印象だったが

今や有名雑誌やキー局の情報番組でシーズン毎に特集が組まれるほどオシャレ

になってきたし、その甲斐あってか街中には見たことのあるコーデの女性との

遭遇率が高い

 

 

しかしだ

中には残念ながら似合ってない方がいる

下世話だし口に出して言わないけど、もっと他があるだろうと思う女性もいる

のだ

そう、かつてCanCamのエビちゃんスタイルが大流行した時

どう贔屓目に見てもそのフワフワな膝上ミニスカートはないだろうという女性

に出会ったことはないだろうか

そのうちの一人に私が入るわけであるが・・・

あの時は私も若かったし殿方にモテたかったので

あのフワフワのスカートにコンパクトなGジャンを着ればエビちゃんになれる

に違いないと思い込んでいた

 

 

私は東京都内、しかも渋谷まで散歩で行ける距離に住んでいたので

雑誌やテレビ番組で紹介された素敵な洋服やアイテムを見るや

すぐさまデパートに足を運んだ

もちろんお気に入りのショップにはなじみの店員さんがいて

私の好みを理解しているから事前に色々な情報をくれる

しかし残念ながらあの時血迷っていた私に正直に

「あなたにはこのお洋服は似合わない、こちらのテイストが良い」と

ストレートにアドバイスしてくれる店員さんには出会わなかった

途中で私はエビちゃんにはなれないと自分で気づいたのが幸いしたのだが

 

 

路線変更してからがまた大変である

何しろ似合わないアイテムばかりがクローゼットにずらりと並ぶ

当時の私はしっかり稼いでいたし、休日は夜勤疲れでひたすら引きこもる生活

をしていたので、お給料の大部分を洋服に投資することもできた

結果、約10年間にファッションに投資した額は

軽く都心のマンション購入するための頭金になるほどだった

そこまで行くともう信者だ

そう、私は今でも熱烈な伊○丹教である

ちなみに当時の戦利品はほぼ今の我が家には残っていない

余談であるが一般に看護師の未婚率は高く、

ややお金のかかる趣味に興じる女性が多い

私の周りでは、劇団四季か歌舞伎かゴルフかといったところだった

 

 

それだけ投資をしてきて気づいたことがあった

年齢を重ねるにつれ

ツンと上向いていたバストは下がってきたが、その代わり深いVネックのシン

プルなニットが似合うようになった

下半身にお肉がついてきたが、ハリウッド女優のようなカーヴィーボディにな

れてより女っぷりが上がった(と本気で思っている)

ハイブランドがしっくりくるようになった(持ってないけど)

永遠の定番と呼ばれるものも、自分にとっては賞味期限切れの場合があるし

実はそれほど似合ってないものもある

 

 

可愛いと周りから思われたかった私は

実はカッコイイを目指した方がウケがいいことに気づいた

しかもカッコイイでもモテる

そうだ、私もオンナは可愛いくあるべきものという呪いにかかっていたのだ

可愛いオンナというのは、外見が若作りとかフワフワレースやおリボンのファ

ッションをして所作が少女のような人ばかりでない

私がイメージする可愛い大人の女性というと、亡き森光子さんあたりだろうか

今でいうなら吉田羊さん

キャラもファッションなどの外見は全く違うが、それぞれに可愛いな♪と思わ

せる魅力がある

 

 

今の私は買い物にかなりの時間をかけるようになった

そしていわゆるアラフォーファッション雑誌を仕事の参考書目的以外に

買うことはなくなった

しかしこれだけの投資をして手痛い失敗を繰り返してきたおかげで

普段自分が素敵に見えるためのファッション

講師として人前に立つ時の装いがわかるようになってきた

失敗は成功のもと

こうした失敗が素敵になるための近道なのかもしれない