スポーツチームが存続するために必要なこと〜チームの価値〜

プロバレーボールチームに2年関わってきた。

その2年間で、競技以外の部分で自分の価値を高めることがチームを存続させるために必要なことだと理解して、選手自身が日々様々な活動を行っている。


私はバレーボールV1リーグ女子、ヴィクトリーナ姫路で「チーム・選手の価値を高める」ための教育を担当している。

「市場・社会で求められる存在」「チームの売り上げに貢献できる力」=価値

姫路は昨シーズンV2リーグに参入し、リーグ戦で優勝したのちにV1リーグに昇格した。私はバレーボール未経験者であるが、ここに到るまでにチームがどれだけの努力を重ねて結果に繋げたかを思うと、頂点に立つために常に行動し続けることの大切さを強く感じるし、とてつもない精神力を維持することの大変さも感じる。

スポーツの世界では、当然勝利に貢献する力を重視し、結果を出すことが最も重要なのは承知している。

姫路は地方のクラブチームで、会社の原資の多くがスポンサーや後援会からのご支援で成り立っている。そしてステークホルダーの存在があり、日頃から応援してくださっている多くのファンによって支えられている。

多くの支援=資金が集まることで強化費が増額し、選手や優秀なスタッフの補強ができたり、チームを広く知ってもらうためのプロモーションや営業活動にも投資ができ、さらに力をつけて行くというサイクルが回る。


チームが存続するために必要で、求められる存在になるために必要な価値
「チームの売り上げに貢献できる力(スキル)」を強化するためには、これまでに蓄積してきた経験や知識にプラスして、
今まで知らなかったことを知る機会、教育が必要だ。


スキルを身につける方法

この教育の部分が姫路が本格始動した2年前から重要視され、研修を実施し評価と行動改善のサイクルを回している。


そしてV1に昇格した今、ホームタウンである姫路を大切にし、バレーボールという競技がもっともっと多くの人に応援され、子どもたちの憧れのチームになるためには学び、行動し続け、選手一人ひとりの価値を高めることが大切だ。

チームが思ったほど知られていない現実を見る

姫路のある兵庫エリアには、同じくV1の久光製薬スプリングスさんと、JTマーヴェラスさんが存在する。母体は日本を代表する大企業の実業団だ。

ただ、バレーボールをよく知らない・興味がない層からすると、チーム名を聞いてもピンとこないし、違いがよくわからない。




実際、私が担当している東京23区内のある中規模総合病院(2箇所)で接遇研修の際に対象職員に「ヴィクトリーナ姫路」を聞いたことがあるかを質問したが、手を挙げる人はいなかった。



監督の名前を出せば、ロンドンオリンピックをリアルタイムで視聴していた世代はすぐ理解できるが、今年度入社組の反応は鈍い。

バレーボールがオリンピック競技であることは知っているし、毎年日本で国際大会の実況がお茶の間にいながらリアルタイムで視聴できるし、体育の授業でも経験するくらい誰もが知っている競技だけど、


Vリーグという言葉すら知らないということが私の投げかけた質問でわかり、多くの人を魅了するコンテンツとしては、まだまだやることはたくさんあるなと理解した。

多くの人に応援しているクラブチームになるには、まずは知ってもらうことが必要なのだ。しかも、人々が余暇や自分のプライベートな時間やお金を投資する対象は、エンタメだけではない。

こうした事実を研修で選手たちに伝えると、皆黙り込んでしまうのだけど。。。

姫路は発足当初から様々な新しい取り組みにチャレンジしてきた。
研修もその一つだ。
選手には、戦績を上げるためのトレーニングと同時に、
様々なエンタメを経験し、人々が何に熱狂し楽しんでいるのかを自分でも感じてもらいたいといつも伝えている。

自分が夢中になって楽しめるものを発見して「なぜこのコンテンツがこんなにも魅力的なのか」を考えて欲しいし、
それが、自分たちが作り出すものに必ず繋がってくると思うから。

そして、バレーボールってなんだかわかんないけどすごく楽しい!会場で観戦してみたい。


選手がかっこいい!
あんな風にプレーしてみたいな。


子どもたちが憧れる存在になるために、様々な世代が応援したくなる存在になるために、選手たちは日々トライし続けている。

このブログの著者
大久保美帆(おおくぼみほ)
フリーランスのブランディングトレーナー
元看護師目線の病院スタッフ向け接遇研修講師
臨床実習前の看護学生向け接遇研修講師
バレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」で研修の監修・制作・講師担当
元陸上自衛官・元看護師