自分の会社を批判するカッコ悪い大人になるな

『自分が所属するか組織の悪口・批判をする、それはすごくカッコ悪いこと』

 

 

これは、私が先日参加したGoogle Startup GRIND Tokyoの会場の質疑応答で、これから社会に出る大学生に向けたゲスト講師であるファッションレスキュー社長の政近準子氏の言葉だ

 

 

写真向かって左から2番目の方が政近準子氏
バブルの時代のGUCCIをお直ししたというフィーシャピンクのスーツを自然と自分のものにしている素敵な女性だ
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自身が新卒だった時のことをこのように語っている
「卒後入社した会社が希望していた企業ではなく、デザイナーという世間が抱くキラキラしたイメージとは懸け離れた厳しい業務に日々追われていたが、それを批判することはなかった」
そしてその頃の経験・実績・周りから得た信頼は若くして独立した政近氏の後ろ盾となり、日本で初の一般人向けのパーソナルスタイリストという職業を作り上げ現在に至るが、当時VIPや芸能人のためにあったとされるスタイリストの地位が脅かされると相当な抵抗にあったという

 

 

しかし勤め人だった時代の政近氏の仕事ぶりを知る百貨店などの協力を得、
最初の顧客はお子さんの保育園のママ友だったという
ファッションのプロが自分をスタイリングしてくれるなんて嬉しい!
そんな身近な人に喜んでもらえたことで、一般人向けのパーソナルスタイリングは必要な仕事だと確信したそうだ
そして現在その地位は揺るぎないものとなり、政近氏の学校から多くのパーソナルスタイリストを輩出している

 

 

今ある成功は自分ひとりの力ではなく、必ず誰かが支えてくれた結果である

 

 

私は20年前に陸上自衛隊に公募看護陸曹という特別枠で入隊した
これは通常の入隊とは違い、すでに看護師免許を取得し、民間病院等でキャリア形成をしてきた民間の看護師が入隊することで、
自衛隊病院における特別な役割を担う任務がある

 

陸上自衛隊は自前の看護師養成機関があり(現在は防衛医科大学看護学科自衛官候補看護学生で養成)、主に高校卒業後に入学後、他の看護大学で学ぶ内容と同様のカリキュラムを学び、同時に自衛官になるための素養・知識・訓練を受ける。

 

そのため、民間人だった私は部隊に着隊した当日から、『階級章をつけた陸上自衛官』として教育を受けることになった

 

駐屯地の敷地内に響く号令
『気をつけ!』『敬礼!』『直れ!』
その号令に合わせて動く小隊
でも私の動きはぎこちなく、教育担当の教官の指導が何度も入り中断
難解な専門用語、自衛隊の法律、初めての集団生活
南富士の演習場で等高線しかない地図を頼りに目標地点までの行軍、慣れない戦闘服とブーツで靴擦れが出来て歩けなくなったこと
すべてが初めて見る世界、できないづくしで今までの私のキャリアは全く役に立たなかった

 

 

そしてそんな素人同然の私に対し、すれ違う階級の下の隊員からはこんな言葉を何度となく投げられた

 

 

『なんちゃってかよ。こんなのがすぐに幹部になるなんて世も末だな』

 

 

当たり前だ
私の父ほど歳の離れた実績のある隊員からすれば、昨日まで民間人だった人間が本気で訓練に向き合わずにいるのに階級だけは自分よりも上なのだ
そんな上官が指揮官となるのは許せないはずだ

 

 

私は自分の出来なさを内省することもなく
「自分は看護官としてここにいる。私の任務は隊員たちが第一線で活躍できるように後方支援することにある。あなたにそんなことを言われる筋合いはない」
と心の中で悪態を吐くほどかなり傲慢だった
あの頃の自分に今会えるとしたら、思い切り殴ってやりたいと思うくらいに

 

 

しかし今となっては彼らにいかに失礼なことを思っていたかを思い知る
階級章は伊達でつけているのではない
指揮官が部隊を動かすのだ
看護官だろうがなんだろうが、幹部たる行動ができて初めて隊員たちが任務を遂行できるのだ
あの頃の私は本当に『なんちゃって』だったのだ

 

 

そのことに気づいた私は猛省し、自分がどう振る舞えばよいのかを上官に聴き、研究し、鍛錬し続け、なんちゃってとは言われなくなるくらいに貫禄がついた
外見や振る舞い、考えが幹部であることを意識して変化したことで、自分の中で自信が芽生えた
そして初めて自分がこの組織の一員であることを心から誇りに思うようになった

 

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私が自衛隊で自分に命じられた任務を遂行できたのは、私を指導し続けた教官、適性を理解している上官、同じく命令を受け行動を共にした隊員たちの存在のおかげである

 

 

そして今の仕事においても、自分に見えていないところで多くの応援者のサポートがあったことを知る機会が度々ある

 

 

私たちは決して自分ひとりで大きくなることはできない
生きるにも、働くにも、必ず自分を支えてくれる人がいて、その人たちのおかげでうまく回っているのだ

 

自分が所属する組織のことを悪く言う
それは自分自身を否定するのと同義なのだ

 

 

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